おいでん!石巻 ISHMAKI

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地元の小学校で脈々と続く伝承活動

 石巻山西側の麓にある豊橋市立石巻小学校は毎年、地域に伝わる民話をもとにした野外劇を、すがすがしい開放感のある校庭を舞台に行っています。
昭和53(1978)年から続く伝統行事は、地域につながりの大切さを伝えています。


 演目は「笛吹きジンゴ」「ダイダラボチ」「てんてんてんぐの舞いおどり」の3つで、毎年順番に披露しています。


 「笛吹ジンゴ」は、争いごとの醜さや、人と力を合わせることの大切さを伝えています。
「ダイダラボチ」は、湖や山などをつくったと伝承されている巨人で、その民話は今も日本各地に残っています。石巻山の頂上へ向かう途中にも「ダイダラボッチの足跡」と呼ばれる真ん中がくぼんだ岩があります。石巻小学校で演じられる「ダイダラボチ」には、緑豊な石巻で生きるからこそ、子どもたちには、自然を大切にする心を持ち、自然と共に生きる人になってほしいという願いが込められています。


 今年も10月22日、秋晴れの空の下、野外劇が行われました。演目は「てんてんてんぐの舞いおどり」、テーマは「命」。舞台は1945年、終戦の夏です。創立150周年を迎える記念の年でもあり、子どもたちは主人公が修行した石巻山を歩いたり、平和教育に熱心に取り組む市内の高校へ足を運んだりしながら役作りしてきました。全校児童約190人が総力を上げて演じ、平和の大切さを大人たちに訴えかけました。


 40年以上の歴史を持つこの野外劇は、まるで地元に伝わる郷土芸能のように、親から子どもたちへと受け継がれてきました。地域住民も楽しみにしていて、当日は多くの観客が集まります。一時は、演出家の桧山新平さんの監修で、夕方の石巻山を背景に行われてきました。
代々受け継がれてきたこの伝承活動を通じて、子どもたちは地域への関心、郷土愛を育んでいます。

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